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シンガポールで供給される仕様外のバンカー

News & Insights 1 April 2022

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当クラブは、2022年2月と3月の間にシンガポールで供給された仕様外バンカーが原因で船舶が主機関に損傷を与えたいくつかの事件を把握しています。当クラブは現在多くの事件を取り扱っており、マーケットのさまざまな情報源を通して事件が増加していることが証明されています。

Man standing in front of containers

当クラブは、2022年2月と3月の間にシンガポールで供給された仕様外バンカーが原因で船舶が主機関に損傷を与えたいくつかの事件を把握しています。当クラブは現在多くの事件を取り扱っており、マーケットのさまざまな情報源を通して事件が増加していることが証明されています。

汚染物質

  1. 主な汚染物質は塩素化炭化水素化合物であり、エンジンの過度の摩耗や燃料ポンプやバルブへの潜在的な損傷を引き起こし、エンジンを完全に停止させる可能性も含みます。
  2. サービスプロバイダーによって発行された特定の報告書には、試験された燃料油サンプルの全潜在セジメント(TSP:Total Sediment Potential )が多く、引火点が60度未満であると記載されていますが、これは海上人命安全条約(SOLAS 条約)第II-2章規則4の違反です。
  3. 塩素化炭化水素は原油中には自然に存在しません。塩素化炭化水素がバンカー燃料に存在していることは、汚染の可能性、および船舶に供給される船舶に供給される船舶燃料に汚染物質がないことを要求する国際船舶用重油基準ISO 8217:2010、 条項5およびMARPOL条約附属書VI第18.3規則の潜在的な違反を示唆しており、船舶に供給される船舶用燃料に船舶の安全を脅かしたり、機械の性能に悪影響を及ぼしたりする可能性のある汚染物質や化学物質が含まれていないことが義務付けられていることにメンバーは注意する必要があります。

講じるべき具体的な対策

  1. メンバーが仕様外バンカーの潜在的な問題に気づき次第、その内容を必ず当クラブに通知してください。
  2. サンプリング、試験、分析は、関連する契約条件に従って実行する必要があります。これらの試験を実施するために必要な機器/設備を備えた研究所において詳細な試験と分析を実施する必要があります。
  3. 標準ISO試験方法では船舶用燃料にある塩素化炭化水素の存在を検出することはできません。汚染物質を検出するには、追加ガスクロマトグラフと質量分析計(GC-MS)試験を実行する必要があります。

ロスプリベンション推奨事項 

船舶で汚染された燃料を使用すると広範囲に及び影響をもたらす可能性があります。船舶の機械類に損傷を与え船舶の遅延を引き起こしたりするだけでなく、機械類の故障は座礁や衝突などの壊滅的な性質の事故につながる可能性があります。

当クラブは、 IMO2020規制準拠燃料の使用 に関するガイダンスおよび 燃料の安定性に関するガイダンスを含む運航経験 を発行しています。これは当クラブウェブサイトで閲覧可能です。

以下をより一層推奨します:

  1. 最近シンガポールでバンカーを補給したメンバーは塩素化炭化水素の存在の可能性を認識してください。
  2. 燃料は船内にある他の燃料から隔離しておく必要があり、混合はしないでください。
  3. 燃料が塩素化炭化水素について試験されている場合、メンバーはサプライヤーに追加情報を求める必要があります。燃料が試験されていない場合、燃料の使用前にGC-MS試験の実施を検討することをメンバーに推奨します。
  4. 船員は船内の機械と浄化システムの最良の作動パラメータに特に注意を払う必要があります。燃料サンプルは、浄化手順の前後に検査および試験し、過度の摩耗や破れ、またはスラッジ生成を早期に示すことができます。
  5. 納入時に採取されたバンカーサンプルは、将来起こりうる論争の解決に役立つ可能性のある証拠となり得るために保存する必要があります。
     

クレーム処理に関する考慮事項

  1. メンバーは関連するバンカー供給および/または用船契約に基づく契約上の義務を確認する必要があります。
    a)メンバーがバンカーサプライヤーと直接契約している場合、供給契約の一般条件には潜在クレームをサプライヤーに通知するために非常に短い時間制限(場合によっては日数で測定)など煩わしい条件が含まれていることがよくあり、クレームは時間制限される場合があります。
    b) 一方、定期用船者によりバンカーが注文された場合、用船者には、(i)用船契約で定められた仕様を満たす燃料を契約上納入する、および(ii)船舶での使用に適した燃料を提供する義務があります。この場合も、用船契約の条件は注意深く見直す必要があります
     
  2. メンバーは当クラブと緊密に連絡を取り、正確かつ完全な賠償要求の証拠書類を確実に取得および/または保存することをお勧めします。英国法の下では、支払い請求者が自分の主張を証明する責任は請求者自身にあります。
     
  3. 供給されたバンカーが仕様外である場合、たとえ これが適正な費用を負担することを意味するとしても、船主は自らの損失の軽減を考慮する必要があることに留意してください。実用的な軽減措置には、詳細なサンプリングと試験、ラボ分析、安全に燃焼できるようにするための燃料処理および/または仕様外の燃料油の抜き取り(デバンカリング)さえも含まれる可能性があります。 多くの場合、最初にそのような措置について契約上の相手方と話し合い、発言を求め、場合によっては試験やその他措置を求めることが賢明です。 これがメンバーが最後に取る手段である場合、メンバーの利害関係が完全に保護されるように、メンバーと当クラブ(雇っている場合はメンバーの弁護士も)の間で緊密な話し合いを行うことが重要です。

カバー

船舶がエンジンに損傷を与えた場合、通常その損傷の補償は船主の船体保険証券に基づいて行われます。P&Iカバーは第三者 賠償責任に限定される傾向がありますが、権利保護カバーを備えるメンバーの場合、当クラブは関連する契約に基づき契約上の相手に対するクレームの追求またはクレームから権利を保護する可能性のあるメンバーをサポートします。

大抵の場合、バンカー品質に関するクレームは関連する契約上、技術上および証拠上の問題を詳細に検討する必要があり、これは複雑になる場合があります。メンバーがバンカーのクレームを認識した場合は、当クラブにできるだけ早く通知することが重要です。これにより、メンバーに適切なアドバイスが提供され、当クラブの経験からメリットを得ることができるよう当クラブは必要な支援を全て提供することができます。

シンガポールのこの最新のバンカー状況を綿密に検討することを強くお勧めします。これにはシンガポールでバンカーが船舶に供給される前および使用前にすべての適切な措置が講じられるようにすることも含まれます。 クラブも引き続き状況を注意深く監視し、今後の展開についてお知らせ致します。 差し当たりご質問などがございましたら、通常のクラブ連絡先までご連絡ください。

カテゴリー: Loss Prevention

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