EUが対ロシア制裁パッケージ第10弾を採択

関連する規則ならびに理事会決定事項は こちら でご覧いただけますが、当クラブのメンバーにとっては、EU理事会規則 833/2014を再改訂した EU理事会規則2023/427 が特に重要となります。

制裁対象への指定

制裁対象への指定に87名の個人と 34の団体 が新たにEU制裁リストに追加されました。詳細については、 こちらをご確認ください。以下の個人・事業体が含まれています。

• Alfa銀行、Ros銀行、Tinkoff銀行、ロシア連邦国民福祉基金、ロシア国立再保険会社
• SUN Ship Management (D) Ltd.（ロシア最大海運会社であるPAO Sovcomflot（SCFグループ）の傘下にあるドバイ船舶管理会社）
• ロシア連邦院の議員、政府高官、軍の幹部、ロシア民間軍事会社ワグネルのメンバー
• ロシア軍のために武器を製造する企業
• ウクライナの非政府支配地域に設置されている「代理当局」
• ウクライナで使用するドローンのロシアへの供給に関与したとされるイラン人。

貿易制裁

海運に関連し、以下の措置が課されました。（括弧内の規制への言及はすべて、EU理事会規則833/2014(改訂版) に関連しています）。

• ロシアの 軍事的および技術的強化、または防衛および安全保障部門の発展に寄与する可能性のある制限品目のリスト（改訂 第2a条の附属書VIIに記載）が拡大され、ロシアの兵器システムで使用されている特定の電子部品、特定のレアアース材料、電子集積回路およびサーマルカメラが追加されました。
• 瀝青、炭素、合成ゴムなど、 ロシアに多大な収益をもたらす 物品（改訂 第3i条の附属書XXIパートCに記載）のEUへの輸入に関しては、さらなる制限が課されています。これらの物品について、2023年2月26日より前に締結された契約に関しては、2023年5月27日までの段階的縮小期間が設けられています。CNコード2803(炭素)および4002(合成ゴム)に該当する物品は、この段階的縮小期間の対象ではなく、代わりに2024年6月30日まで、カーボンについては752,475トン、合成ゴムについては562,973トンの輸入割当がそれぞれ適用されます。」
• 電子機器、特定用途の車両、機械部品、トラック・ジェットエンジンの交換部品、アンテナ・フォークリフト・クレーンなどロシア軍の使用に転用可能な建設分野の物品など、ロシアへの 重要技術や工業製品 （改訂 3k条の附属書XXIIIパートCに記載）の輸出に関し、さらなる禁止措置が課されました。これらの物品について、2023年2月26日より前に締結された契約については、2023年3月27日までの段階的縮小期間が設けられています。これらの物品について、2023年2月26日より前に締結された契約に関しては、2023年3月27日までの段階的縮小期間が設けられています。

EUは、デュアルユース品および先端技術のロシア領を経由する輸送を禁止しました（改訂 2条）これにより、当該物品をEUから第三国へ輸出する際ロシア領を経由することはできなくなりました。

水先案内人サービス

EUは、ロシア国営企業との取り引き禁止は、海上安全のために必要な船舶への水先案内人サービスに関してはこの制裁が適用されない旨を明確にしています（改訂 5aa条）。

EUのガス貯蔵

EU域内のガス貯蔵能力を、ロシア国民、ロシア居住者またはロシア法人に対して提供することは禁止されました（新5p条）。この禁止は、貯蔵用の液化天然ガス施設には適用されません。2023年2月26日より以前に締結された契約で「厳密に必要な業務」については、2023年3月27日までに終了することを条件に段階的縮小期間が設けられています。 また、EU内の重大なエネルギー供給を確保するために必要な場合に限り、EU加盟国の管轄当局が貯蔵能力を提供する認可を与えることを認めています。

これらの制裁措置の詳細については、欧州委員会の プレスリリース および Q&Aをご覧ください。

EU制裁措置は以下の状況下で適用される点にご注意ください。

• 領空を含むEU領域内
• EU加盟国の管轄下にある航空機内や船舶内
• EU領域内外にかかわらずEU加盟国の国民
• 所在地を問わず加盟国の法律に基づいて設立された法人、団体、組織
• EU内で全体または一部が行われる事業に関与する法人、団体、組織。

この記事の全文は、NorthStandardサイトでも閲覧可能です： https://north-standard.com/news/eu-adopts-10th-package-of-sanctions-against-russia/