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記事:コンテナ運送を目的に設計されてない船舶での輸送

News & Insights 3 September 2021

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海運業界では現在、コンテナ貿易が異例のブームとなっており、需要の増加に伴い、一部の運送業者ならびに関係者は、目標や契約履行のために従来とは異なる方法を模索しています。

Cargo container ship

海運業界では現在、コンテナ貿易が異例のブームとなっており、需要の増加に伴い、一部の運送業者ならびに関係者は、目標や契約履行のために従来とは異なる方法を模索しています。

その結果、船主は、コンテナをデッキや船倉で輸送することを目的として設計されていない船舶によるコンテナ運搬を求められる場合があります。そのような取り扱い状況下では、積荷の崩壊や船外へのコンテナの損失といった安全関連の問題を多く引き起こす可能性があります。当クラブの記事(下にリンクされています)でも強調されているように、コンテナ運搬用に特別に設計された船舶であっても、積み重ねたコンテナの倒壊や関連懸念事例の発生は珍しいことではありません。

コンテナ輸送用に設計または艤装されていない船舶では、そのリスクはより大きくなります。そのような船舶の乗組員は、コンテナ輸送に慣れておらず、安全な輸送を確保するための能力や理解を有していない可能性があります。そのため、このような船舶とコンテナ輸送の契約を結ぶ前に、以下が必須となります:

  1. コンテナ貨物が安全に船舶に積荷され、運搬され、荷揚げされることが可能かを保証するために、詳細な適合性評価を行う。
  2. 船舶の改修、例えば、甲板の付属品の改造が必要であったかを評価する。
  3. 船の旗国および船級協会の同意を得る。
  4. 当クラブに通知する。

コンテナ貨物専用に設計されていない船舶でのコンテナ貨物の輸送は、クラブ規則が意味するリスクの重大な変化をもたらす可能性ならびに/または、運送、取引、航海が軽率または危険なものとなる可能性があります。そのため、損害保険が不利益を被るリスクを避けるために、当クラブへの事前通知が不可欠です。 さらに当クラブは、甲板積貨物に関する損害保険の潜在的な問題や、例えば甲板積貨物に対する運送人の賠償責任を除外するなど、関連する船荷証券の条項の必要性について助言できます。 甲板積貨物、賠償責任、損害保険に関する詳細は以下の通りです。

メンバーの皆様は、現在の用船契約の義務に注意を払うとともに、提案されている用船契約の条件を慎重にご検討ください。前者に関しては、ばら積み貨物船でのコンテナ輸送が除外されたり、安全でないと判断されたりすることがあり、その場合、船主には新規注文を求める権利があります。 新規契約に関して、メンバーの皆様には、NYPEフォームなどの通常の液体以外のばら積み貨物船の用船契約は、コンテナ貨物専用に設計されていない船舶でのコンテナ貨物の輸送には適していないことを認識いただく必要があります。 

コンテナ貨物の安全輸送のために、メンバーの皆様には、以下の点を考慮し、適切な対策を講じることが推奨されます:

1. 積載エリアの構造強度

  • (計画段階で)コンテナ貨物の荷重に耐えるのに十分であるか、補強が必要かどうかを検証する必要あり。
  • 1平方メートルあたりの最大許容積載重量を超えないように、甲板上で重量を均等に分散させることが重要です。
  • 荷敷きを使用する場合/時は、コンテナの移動を防ぐために荷敷きの配置と種類が適切である必要があります。さらに許容荷重は特定の船舶の甲板上の荷重密度を超えてはいけません。

2. 貨物の積込みと固定

  • 計画は、積み上げ時の高さ、重量、動的な貨物固縛方法の計算を十分に考慮して行う必要があります。
  • 特に、危険物(DG)と冷凍コンテナの積込場所に注意を払う必要があります。DGコンテナの設置場所は、IMDG(国際海上危険物)コードに準拠する必要があり、冷凍コンテナの場合は、電源を確保するための規定が必要です。
  • IMOのCSS(貨物積み込み固定)コードのすべての規定と、船級承認された船舶のCSM(貨物積み込みマニュアル)に従う必要があります。積荷を固縛するための船舶固有の加速度と計算例をCSMに記載する必要があります。
  • 承認された種類の安全装置のみ使用してください。
  • コンテナの固縛は、積み込み完了後および航海中に、船のスタッフによって監視され、照合される必要があります。

3. 船舶の安定性と応力計算

  • メタセンター高さ (GM)は、船舶の種類に合わせた最適な範囲である必要があります。GMの値が非常に大きい場合は、軽頭船と判断され、積荷の固縛に過大な力がかかります。GMの値が小さければ、船のローリング周期が長くなり、積荷の固縛に長時間応力がかかります。
  • 無損傷時のGM限界曲線は、甲板積貨物からの追加の風速分布領域を考慮して再計算する必要があります。
  • 船の乾舷に応じて、損傷時復原性計算を再検討する必要があるかもしれません。
  • 満載喫水線規制、IMO視認性基準など、その他の法的要件への適合

4. 証明書や書類の更新と再発行

  • 船級によっては、 船舶の再分類が必要となり、場合によっては、その船舶がコンテナ輸送に適していることを確認するための別の調査が必要となります。
  • コンテナ輸送の安全を確保するには、国際安全管理(ISM)コードに関連する手順を更新する必要があります。旗国(又は旗国に代わって船級協会)の審査・検証が十分に行われた場合、会社の適合証書(DOC)及び船舶の安全管理証書(SMC)が再発行されます。
  • その他の書類や証明書(復原性資料、積付計算機, 積荷固縛マニュアル(CSM)、危険物輸送適合証明書など)を修正して船級協会に提出し、再承認を得る必要があります。

5. Marine warranty surveyorの選任

  • 積載前に船舶を検査し、コンテナ貨物への適合性を確認します。
  • 積込場所と固縛の方法、復原性データ、固縛装置、船舶証明書および文書を確認し、指定された操船に関連するリスクが、業界の最良の慣行に従って許容可能なレベルまで低減されていることを確認します。

カテゴリー: Loss Prevention

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