記事:積荷委付

News & Insights 18 August 2021

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積荷委付は、貨物の権利者が積荷を回収しない、または引渡命令を受けない場合に発生し、最も一般的には荷揚げ港で発生します

Man on deck offshore

​積荷委付は、貨物の権利者が貨物を回収しない、または引渡命令を受けない場合に発生し、最も一般的には荷揚げ港で発生します。積荷委付の理由は様々ですが、例えば、受取人の倒産、積荷の損傷や遅延、売買契約上の問題などが挙げられます。 新型コロナウイルスの世界的大流行により積荷委付の件数が増加した主な原因は、世界各地で課せされた各種ロックダウンや世界経済の減速です。 

積荷委付の場合、メンバーは様々な出費とリスクに直面することになります。 自己発熱性や自己発火性の貨物の場合、そのリスクは相当なものになります。 2020年8月にレバノンの首都ベイルートで起きた事故では、数年間放置されていた硝酸アンモニウム肥料が大爆発し、数名の命が失われ、多くの人々が負傷しました。 この事故の詳細は当クラブの記事をご覧ください。 

景気変動、規制の変更、制裁に関連する問題などの要因により、特定の商品が放棄される傾向がますます強まっています。同様に偽造品に関しても、規制が変更されたり現地当局の目に留まった場合、回収されずに放棄されることがあります。スクラップおよび/または廃棄物の貨物が、不正申告やバーゼル条約の条項に基づく適切な許可が得られなかったために、荷揚げ港で拒否されたケースが多数ありました。

そのような場合、そのような商品や物流経路を特定するシステムやプロセスがあれば、高リスクな積荷の予約を回避できるようになります。放棄された積荷の全てに詐欺グループが関与している訳ではありませんが、慎重を期すために、積荷の予約時にデューデリジェンスチェックと本人確認(KYC: know-your-customer)手順を行うことが推奨されます。KYCプロセスの詳細は、当クラブの書籍 「Standard Safety」の「better box booking」版に掲載されています

影響

コンテナ船を利用するメンバーに対しては、保管費用が課せられたりコンテナ使用権がはく奪される可能性があります。他の費用として、積荷を船内に留置するための費用、例えば積荷をすぐに荷役できないことによるバンカーの費用、あるいは荷役の費用、積荷を他に輸送(例:荷主に戻す)する費用、腐敗しやすい積荷の場合はその処分費用、あるいは例えば石炭の場合に積荷(および船舶)の安全を維持するための費用が挙げられます。腐敗しやすい積荷の場合、積荷自身の性質により長期間の保管に耐えられないことが問題になります。そのような損失または損傷が放棄によるものか、積荷の監視を怠った結果、あるいはその取扱い過程によるものなのかを判断するのは非常に困難です。 

上記の費用は、コンテナ船だけでなくばら積み貨物船で輸送するメンバーも被る可能性があります。冷蔵コンテナの場合、冷蔵コンテナを電源に接続しておく追加費用が発生する可能性もあります。積荷委付に関連するコストは非常に速く蓄積されていくため、この場合、メンバーには迅速な対応が強く推奨されます。

損害賠償請求の取り扱い

積荷委付に関連する損害賠償請求はケースバイケースで、現地の法律に大きく依存します。英国法では、積荷委付に関連して生じた費用を荷送人/荷受人またはその他の利害関係者から回収するには、運送人は、運送契約および船荷証券に基づく黙示的義務に頼らざるを得ません。

ほとんどの場合、貨物が放棄された司法管轄区の法律を慎重に考慮する必要があります。 当クラブの経験から、チュニジアでは、裁判所の命令によって得られる当局の同意なしには、運送会社が貨物を処分したり、新たな買い手に売却したりすることができない場合があることがわかりました。同様にUAEでも、運送会社が貨物を売却できるようにするためには、裁判所に申請して、裁判所が任命した管財人に貨物の保管権を譲渡する必要があります。他の地域では、当局が貨物を差し押さえ、関税や未払い金を補うために競売にかける場合もあります。ガーナではこのように対応されます。

地域により解決策が異なるため、積荷委付に関係する損害賠償請求の取り扱いには、当クラブのグローバルネットワークを利用した現地対応が不可欠です。

当クラブのカバー

当クラブのカバーに関しては、規則3.13.2に基づき、積荷の処分費用、保管費用、さらに冷凍コンテナの動力維持費は、メンバーが第三者に依頼することなく、積荷を新たな買い手に売却した場合には、これらの費用が売却収入を超える範囲内で、当クラブが補填することになります。

メンバーの皆様には、積荷委付に関連する損害賠償請求が発生した場合には、速やかに当クラブにご連絡いただき、現地特派員 および/または現地の弁護士の協力を得て、利用可能な選択肢を評価、検討し、重要な証拠を照合し、上記費用が発生する前に、 可能な限り最善の条件で問題を解決されることを強く推奨します。 

カテゴリー: Cargo

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